DEENの定番ラチェットで人気No.1であったスイベルラチェットの売れ行きを抜き、2018年の発売からわずか2年でラチェットの新定番となった「クイックツイストラチェット」の魅力に迫ります。
1.グリップを回すとドライブが回る
クイックツイストラチェット最大の魅力といえるのがこの機能。
ドライバーのようにグリップを回すと、内部ギアを介してドライブが回ります。
左右どちらに回しても一方向に回るのでグリップを握ったまま早回しが可能です。
ハンドルを横方向に振るのが困難な狭い場所で効果を発揮します。
ギア数は60ギア。
最近では一般的となった多ギアのラチェットのフィーリングがグリップを回すことでも体感できます。
また、従来のラチェットハンドルではネジの締め始めは雌ネジとの抵抗(引張力)がかからず、
抵抗がかかるまではラチェット機構が機能せず、ギアを送ろうとするとネジが緩め方向に一緒に回ってしまう「共回り」になってしまうことがあります。
クイックツイストラチェットはハンドルを横に振る事無くグリップを回すだけでドライブが回るのでネジの締め始めからラチェットを使う事が出来ます。
(写真左:DEEN3/8sqクイックツイストラチェット 右FACOM3/8sqロータリーラチェット)
クイックツイストラチェットの機能の元祖と言える「ロータリーラチェット」とヘッドの大きさを比較しました。
前述したとおり、1/4sq、3/8sq、ビットを使用できるクイックツイストラチェットですが、ヘッドの外径はロータリーラチェットの2/3のサイズ感となっています。
高さを比べてみると、クイックツイストラチェットのコンパクトさがよりお分かりいただけます。
(ヘッド機能の差異について、FACOMはプッシュリリース機能が御座います。)
幅を見て頂くと、数値以上にサイズ感のさを感じられます。狭い場所で使えるようにするには、ラチェットヘッドの大きさもコンパクトさを追求した物でなければなりません。
手の平全体でグリップを握りこんでトルクをかけて回したい時のフィット感はもちろんのこと、ドライバーで早回しするようにグリップエンドを指先でつまむように持って回す操作性を考えて開発されたグリップです。
グリップエンドには1/4sqの差込が設けられています。狭くて奥まった場所のネジを回したい時は1/4sqのT型ハンドルなどと組み合わせて使用する事が可能です。
ファクトリーギアでは過去にSNAP-ON、現在ではFACOMといった世界的工具ブランドのクイックラチェットを販売してきて、こんなご意見を実際にご使用いただいたお客様から頂戴しました。
「閉所作業で使用するのにラチェット本体が大きすぎる」
「グリップを回して締め付けても希望のトルクでは締まらない」
SNAP-ONのものは1方向しか回らず、FACOMのものは本体が1/4sqは小さすぎて3/8sqは大きすぎるといった欠点が見えてきました。
実はDEENでも10年以上前からクイックラチェットの開発を進めていましたが、通常のラチェットと比べ部品の点数が倍以上あることから本体の小型化が難しく、力強く回すためにはグリップを大きくする必要があり、なかなか発売に至ることができませんでした。
そこで小型化のために考えられたのが、ヘッドとアダプターを組み合わせることで1/4SQでも3/8SQでも使えるファンクションです。これにより、今までの1/4sqラチェットの大きさで3/8sqでも使用することが可能になりました。
さらにグリップエンド部分にスクエアを設けT型ハンドルなどを装着して回すことで、締め付けが弱いという部分も解消されました。
最後に見た目にも拘ろうということで、ボディからグリップまですべてDEENのイメージカラーである「黒」を採用しました。ヘッド部分にある回転方向を示す矢印は、サンプルは赤だったのを白に変更し視認性を高めました。
お客様のご意見を最大限に取り入れたこのクイックツイストラチェットを是非一度お試しいただきたいです。